どうも、ハタオトです。
衝撃的な本、最貧困女子を読みました。
内容は以下のとおり
今や働く単身女性の3分の1が年収114万円未満。中でも10~20代女性を特に「貧困女子」と呼んでいる。しかし、目も当てられないような地獄でもがき苦しむ女性たちがいる。それが、家族・地域・制度(社会保障制度)という三つの縁をなくし、セックスワーク(売春や性風俗)で日銭を稼ぐしかない「最貧困女子」だ。可視化されにくい彼女らの抱えた苦しみや痛みを、最底辺フィールドワーカーが活写、問題をえぐり出す!
一気に読んで暗い気分になります。これが日本の現状かと思うとね…気になる方は続きをどうぞ。
貧困の定義を考える
貧困とは何かを考えると鈴木氏の考察が的確ですね。
低所得は当然であって、「三つの無縁」「三つの障害」が加えられる。
三つの無縁
- 家族の無縁:困ったときに支援する親族がいない
- 地域の無縁:友人の無縁と同意。相談する人がいない
- 制度の無縁:社会制度の不整備・認知殿低さ・実用性の低さ
三つの障害
- 精神障害:うつ病、統合失調症
- 発達障害:ADHDやアスペルガー症候群
- 知的障害:軽度・ボーダーラインのものを含めたもの
貧乏と貧困は異なる
貧乏は、単なる低所得であること
貧困は、低所得は当然のこととして、家族・地域・友人などあらゆる人間関係を失い、精神的に貧困している状態
貧乏でもたくましく生きている方は多々いらっしゃいます。
- 年収100万でも豊かに暮らせる!【年収100万円の豊かな節約生活術】
- グローバルで消耗しない、人生を自給する生き方【ナリワイをつくる 人生を盗まれない働き方】が名著だった。
- ずっとブルーオーシャン!月3万円ビジネスという優しいビジネスの形
上記3つの記事は良い例で、低所得であっても、極力支出を減らして豊かに生活できているんですよね。
収入が低くても、支出が低ければ問題ない。支出を抑えるために、ビジネスから衣食住までシェアする。人とのつながりがあれば、貧困ではないんですよね。
なので、「低所得でも生活できるじゃないか?生活保護だって?ふざけるな!甘えんな!」と貧困=自己責任とする風潮がありますが、必ずしも当てはまらないんですよね。
貧乏と貧困は、低所得以外のところで差がつきます。
最貧困女子を救っているのは、風俗産業
貧困の中でも最貧困女子の事例を書かれています。
過激なので簡略に書きますが…
大都市部の業界には「フル代行業者」なる業者がいる。行っている内容は以下のとおり
- 賃貸保証の手配(過去の収入の証明の捏造も含む)
- 健康保険証の貸し出し
- 賃貸住宅における名義の貸し出し
- 携帯電話などの通信インフラのレンタル
- 融資業務
住所不定でもやっていけるだけのセーフティネットを提供しているんですよね。虐待から逃げてきた家出をした少女たちが対象であったりします。
しかし、法外な請求をするので、生きるためのセーフティネットを提供はしますが救済措置ではありません。
次の虐待につながる可能性もあるんですよね。
参考:【ルポ 虐待–大阪二児置き去り死事件】子どもの為に親やめられるか?
若干事例が異なりますが、同様の事件は起こりえますし、もっと過酷な事態があるのでしょうね。
現状の社会制度には、根本的に無理があるのでしょうね。
まとめ
目の前にある貧困問題は、一つの事象であっても、背景にはいくつもの問題が絡んでおり、一筋縄では行きません。
低所得者が増えていくという原因よりも、また別のところ(3つの無縁、3つの…)で貧困は増えていくのでは?と考えさせられますね。貧困は自己責任ではなく、無縁や障害からです。
貧困は自己責任だとは言えないですよね。
社会が捕捉できていない貧困…経済的、精神的にも破綻しているのに社会が捕捉できていない最貧困女子についてのインタビューが書かれています。闇は深いですねー。貧困問題、虐待のテーマに興味があれば、ぜひ読んでみてください。ひどくて、震えますよ。