片付けない妻です。
実親から守ってもらえなかった私は、ある日とある場所に保護されました。
そこは”児童養護施設”。一昔前でいう…孤児院です。
入所理由の多くは、親がいない(死別、離別)。最近では、親がいないよりも親がいる子どもの方が多くを占めています。
入所経験のある私の経験談と共に”児童養護施設”についてお伝えしたいと思います。
児童養護施設とは
そもそも児童養護施設って何か?って関わりを持つまでは知らなかったんですよねー。
私の場合、中学生。
児童養護施設は、保護者のない児童や保護者に監護させることが適当でない児童に対し、安定した生活環境を整えるとともに、生活指導、学習指導、家庭環境の調整等を行いつつ養育を行い、児童の心身の健やかな成長とその自立を支援する機能をもちます。
簡単に言うと…
家庭に代わる子どもの家
ですね。
2歳から18歳の子どもがその対象となります。
施設に入所する理由
理由は…家庭で養育が困難だから。
困難な理由は様々です。
- 虐待
- DV
- 保護者の逮捕
- 保護者との死別
- 保護者の離婚
- 貧困 などなど…
どんな人が働いているの?
いろんな専門職の方が、日夜子ども達の為に働いています。
一緒に食事をしたり、宿題を見てもらう…買い物や旅行に行く。これらは、一般の家庭でしてもらえるごくごく当たり前なこと。
子どもの”安心”と”安全”の暮らしを作り出しているんですね。
子どもたちの養育は、個々の自立目標に合わせた支援計画をもとに、児童指導員、保育士等の専門職が行っています。 このほか事務職員、調理員、栄養士、心理療法担当職員、被虐待児個別対応職員、家庭支援専門相談員、職業指導員などの職員、運営管理者として施設全体に責任を持つ施設長が子どもたちの生活を支えています。
※ 栄養士及び心理療法担当職員・職業指導員は施設によっては配置されていません。引用元:児童養護施設のご紹介
大人数から少人数へ
施設の定員数は様々。
大舎制と呼ばれる20人以上の形態が多くあります。
しかし、最近は『より家庭に近い形の環境を!!』という発想から少人数の生活を基本とする施設の小規模化の取組もあるそうです。
突然その日はやって来た!
中学生で”児童養護施設”の存在を知ることになる。
理由は、虐待。一時保護という形でお世話になったんですよねー。
一時保護の流れ(私の場合)
校長室に呼び出し(←『なんも悪い事してないのに!?』と思いました。笑)
↓
校長室にて知らない人に(児童相談所の方)保護される事を説明される
↓
児相に行く(これまた知らないおじさんと話をする)
↓
施設に到着
という流れで一時保護が完了。
朝「いってきまーす」と兄弟と別れたまま…しばしの別れ。
衝撃でした。苦笑
一時保護にも様々な形があるので、これはあくまで私の場合。
子どもの置かれている環境に応じて保護の仕方は様々です。
施設での日々
施設の日々…それはとても楽園でした!
- 『毎日、怒鳴られたり殴られる恐怖もない!!』
- 『ご飯もお風呂も睡眠も保証されている!!』
『何言ってんの!当たり前のことじゃん!』と言われそうですが…。
当時、家では少しの物音で目を覚ましていた私が久々に熟睡して朝を迎えることができたのです。
それだけで幸せ。
しかしながら…一時保護の場合。
多くは学校へ通えません。
それはお役所的な問題だったり…
加害者から隠れていたり…
するわけです。
私の場合は、隠れている状態。
親戚にも友達にも一切事情も場所も告げずに施設内でひっそり。
もちろん、買い物などの外出にも行けません。(施設の周りでちょろちょろ遊んではいましたけど)
元の学校へ戻る際は、先生がうまいこと誤魔化しておいてくれました。(病気…だったかな?)
入所した感想

photo credit: Promised myself I wouldn't weep (One more promise I can't keep) via photopin (license)
入所して見て最初に思ったのは…
大家族の家
ですね。笑
なにせ2歳から18歳の子どもが生活を共にするのです。
「えっと…何人兄弟ですか?」
という感じでした。
- 大きい子が小さい子と遊ぶ
- 食事の配膳を手伝う
- みんなでテレビを見る
「おはよう」から始まり「おやすみ」で終わる。
まさに子どもの家でしたね。
入所前のイメージ
私が子どもの頃、近所にあった児童養護施設。
祖母はいつも『あそこの子とは遊んじゃいかん!』と口が酸っぱくなるほど私に言いました。
子ども心に『いけないことなんだ』と思ったんでしょうね。
その子とは疎遠になりました。
児童養護施設=関わってはいけない
と当時の私はインプット。
実際は、『遊んじゃいけない子』なんて存在しませんでしたけど。
兄弟と語ってみた
大人になってから当時のことを酒のツマミに…語ってみました。
『家に帰りたくなかった!』
だそうです。苦笑
不安定な家での生活よりも、施設での適切な心理療法や”安心”と”安全”のある生活の方がいいですもんねー。
迷惑な被害者ヅラな母親
子どもには快適な場所。
でも、大人からすれば苦痛でしかなかったんでしょうね。
私の一時保護には母親も一緒にいました。
(母親も被害者と見なされたんでしょうね。ほんといい迷惑。笑)
けれども、窮屈な母親。
児相や弁護士を無視して自宅に戻る。
結果、私たち兄弟は地獄の日々が待っていた。。苦笑
本当に地獄から解放されたのは、そこから3年程時間を有しました。
子どもの頃はただ母親と居たかったのですが、今では言える。(心の中で)
『あなたも加害者ですよ』
認識がないのが怖。
虐待の黙認は心理的虐待だーーーーーー!!
一時保護ってなんなの?
先ほどから出てくる”一時保護”という言葉。
『なんなのさー!』と突っ込みが入るかなーと勝手に思って、お話したいと思います。
一時保護が必要になる時は…
- 緊急保護
- 行動観察
- 短期入所指導
それぞれについて簡単にご紹介。
緊急保護
その① 子どもの保護者や家がない
棄児(子どもの置き去りとか)、迷子、家出などで親や泊まるところがない。
その② 子どもの安心、安全が確保されない
虐待、ネグレクト(育児放棄)などで家庭から引き離す必要がある。
その③ 子どもが自分や他に害を及ぼす
自分や他人の命、身体などに危害(暴力とか)を加える、またはその恐れがある。
行動観察
その子どもに必要な援助の方法を決めるために一時保護をして、十分に行動観察と生活指導を行う必要がある。
短期入所指導
子どもに短期間のカウンセリング、心理療法、生活指導等が必要。
かつ…家庭から遠い、子どもの性格、取り巻く環境を考慮した時に援助が難しいと判断される。
児童相談所運営指針の改正について:第5章 一時保護|厚生労働省
まとめ
実際関わってみると、印象違います。かなり。
老害の言うことはあてにならんなー。と。(祖母嫌いなんです。不愉快な方ごめんなさい。苦笑)
私は、施設ごとに差があると感じたけどね。
確かに入所している子の中には、他人に害を及ぼす子もいるかもしれません。
でも、それはその子だけのせいではないかもよ?
何もしていないのに、ただ入所しているだけなのに地域から『関わっちゃいかん』なんて言われたら、迷惑の一つや二つ…起こしてやりたくもなるんじゃないかなー。苦笑
関わる上で困ったことがあるのなら、然るべき場所に相談すればよいのです。
全てくくって見るのではなく、目の前の子どもを見て判断してして欲しい!!よね。
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